東京ラーメンショーにて行われたイベント。優勝するとラーメン店を開く為のサポートが得られる。
予選を勝ち抜いた、大野氏、星氏、高橋氏、藤谷氏の4人が決勝戦に進んだ。審判員は客席から見て左から、ちばきや店主千葉氏、ラーメンデータバンク取締役会長大崎氏、フリーライター北島氏、斑鳩店主坂井氏、魚雷他の店主塚田氏。
ジャッジされるラーメンは、基本的に予選で出された物がベースとなっていたようだ。
最初は大野氏の生姜醤油ラーメン。香味油に生姜の絞り汁を加えており、更に予選にはなかったワンタンを乗せたとの事。この日は肌寒く、体が温まりそうなメニュー。審査員評から、良くまとめられた印象だと当方は受け取った。
続いて星氏の鶏塩白湯スープに魚介とキノコの重ね味。具にキノコ、菜の花、ゴボウ、レンコン、鶏肉が使われ、ライムの酸味が味に変化をつける。星氏曰わく、色々な味を味わってほしいとの事。このラーメンは塚田氏の評価が高かったが、昨年の鯖味ラーメンの印象が強く、どうイメージを変えるかとの発言。一方千葉氏からは、煮干しがきつく、白湯スープに重さを感じる。爽やかさを出してほしいという厳しい指摘があった。これに対し星氏は、煮干しは臭みのないものを選び、野外イベントなので味を強くしたと答えた。大崎氏の「難しいバランス」という評が、このラーメンを端的に表していたと思った。
続いて高橋氏の鶏煮干し白湯。味噌ラーメンに近い見た目に、つくね、プチトマト、白髪ネギにが乗る。麺は、細く少し縮れていたとの事。
氏の勤める店は女性客が少なく、男女問わず食べてほしいという思いが発端となったスープ。審査員からは、黒胡椒オイルが白湯スープのしつこさをリセットする役目を果たしており、これは流行るのではとも評されていた。更に、予選時より品質が上がり、本来のレベルになっていたと評され、塚田氏からは「参った」の発言があった。審査員からは、かなり好印象と受け取られていた。
最後は藤谷氏の清湯系ラーメン、名前は鬼塩ラーメン感謝。ちなみに応募書類に書かれていた名前は、「HEY!たこちゃん」そう、藤谷氏とはものまね芸人 HEY!たくちゃんである。
タコ、イカゲソ、エノキ茸、すだちが入るラーメンは、千葉氏曰く「芸人が作ったとは思えない」と評し、「具はいらない。シンプルな構成でも上手い。唯一、麺のアンモニア臭が気になったのみ」と絶賛。予選時にまろみが欲しいと指摘された件を修正すべく、一日スープに向き合ったと、プロさながらの姿勢であった。
そして、審査結果の発表。大野氏414点、星氏416点、高橋氏432点、藤谷氏447点。何と、HEYたくちゃんこと藤谷氏が優勝してしまった。これには当方も驚いた。これまでの審査員の発言から高橋氏かと思っていたからだ。たくちゃん男泣きでこれまでの労苦を語っていた。第2のデビット伊東氏になるか否かは分からないが、この結果を知った人は、出店を期待してしまうだろう。審査員からは、イベント3年目を迎え、今までで一番レベルが高いと評された。昨今のラーメンの味のレベルを考えれば、納得がいくものだった。観客からは、会場に居乍ら審査員の発言だけが頼りというラジオ放送の伝え方から、カメラ・スクリーン・プロジェクターを準備し、少なくともラーメンのビジュアルを生で伝えて欲しいというのは最低限の要望だ。機材はレンタル出来るし、普段からラーメンを撮影しているのだから、イベントでも問題なかろう。
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