
昔住んでいたところの近くに旧本店があった。既に昼のみの営業で、行列店でもあったので、結局食べに行ったのは数回。初めて行った時は、知識が何もなく大盛りを頼んで残してしまった。
閉店の報が流れてからの列の長さは尋常ではなく、閉店日は朝からラジオ中継が入った程。当方せめてもと、滝野川大勝軒へ向かった。
そんな事を思い出しながら食券を購入後、旧本店があった、「東池袋四丁目28」の住居表示板が打ち付けられた柱の脇に着席。今や現代的な店構えとなったが、今も昔も活気があることには変わりない。あの頃夜に店前を通ると、仕込みや片付けをしていたのであろうが、これから開店するのかと錯覚しそうな匂いが漂っていた。
もりそば(750円)を手繰る。甘・辛・酸味に油が加わるつけ汁。昔に比べ、穏やかになったと思うのは気のせいか。一方、柔らかだが、伸びている訳ではないという、絶妙な茹で加減の太麺。今時ではあまり見られないこのバランスが肝なのだと思った。薄いチャーシュー、メンマ、ゆで玉子、白ネギの具達が花を添えてくれた。
「ごちそうさまでした」と言って店を出る。パイプ椅子に座って、屈託のない笑顔で見送っていた初代店主の分まで。「ありがとうございました」と店員の声が響いた。
東京都豊島区南池袋2-42-8
営業時間
11:00〜22:30
スープなくなり次第終了
定休日 無
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